書名 | 漢和希夷 |
---|---|
解説 | 奇異雑談集異本 虫食傷み有 横本 |
冊数 | 1冊 |
著者 | |
絵師 | |
版元(出版社) | |
刊年 | 近世初期〔頼慶〕写 |
欄外解説 | |
備考 | 縦一三・三糎、横は最短一九・八~最長二〇・八糎。美濃判のやや薄手の楮紙を四つ折りにし列帖装に仕立てた“双葉列帖装”と呼ばれる装訂で共紙表紙、外題「漢和希夷」(左上部に打付書き)、内題はない。本文は表見返しから始まり合計二十三丁半。奥書はない。本書は近世怪異小説の嚆矢として知られる『奇異雑談集』の異本とされ、従来、東寺宝菩提院三密蔵所蔵江戸初期写の一本(以下「東寺本」と呼称)が知られるのみであった。当該品はその東寺本の親本とも目される新出の一本。冨士昭雄氏翻刻の東寺本と比するに、本体の寸法も近似し改行も同じく、僅かな語句異同はあるものの虫食傷みによる欠損部分も重なることから、東寺本は当時すでに傷んでいた当該本を書写したものと推測される。さらに当該本には表紙の右下部に「頼慶」と読める(虫損有)、本文と同筆と思われる墨書があり、『奇異雑談集』の成立過程や『漢和希夷』の存在自体についての研究に役立つ新たな一要素となるであろう。 |