書名 | 文正草子 |
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解説 | 奈良絵本 極彩色絵入 |
冊数 | 3帖 |
著者 | |
絵師 | |
版元(出版社) | |
刊年 | 江戸前期作 |
欄外解説 | |
備考 | 大きさ二四・三×一七・六糎。綴葉装。沙綾繋ぎに小花紋の緞子表紙、中央に題簽剥落痕有。見返しは布目金紙。内題はない。詞書は毎半葉十行書き。金泥入の美しい彩色および上下の雲霞に金箔散らしを施した挿絵を上冊に片面五図、中冊に同五図、下冊に見開き一図、片面三図収める。常陸国鹿島大明神の大宮司に仕えていたふんしやうが暇を出されたのち塩屋に雇われ、自ら塩を焼いて売るようになると評判となりたちまち大長者となった。子宝に恵まれないことを悲しみ夫婦で鹿島大明神に参詣すると二人の姉妹を授かった。成長した二人は大名や国司などから求婚されるも受け付けない。やがて都で評判を聞いた二位の中将が京商人に身をやつして常陸国へと下り姉君と結ばれ、妹君も帝に召され女御となる。上洛した文正夫妻も長寿を得て一族は栄華をきわめたという話。本文は、上冊と中冊は寛永頃の版本とほぼ同じで伝本に多い系統だが、下冊の半ば以降は版本に比してやや簡略にまとめられており、巻末は「…ふうふもろともにじゆみやうちやうおんにしてめてたき事はかり也 さるによつてはるのはしめのよみはしめには まつこのさうしをよみ給ふへし」で終わる。 |