宝永江都図鑑・同江東本所図鑑

書名	宝永江都図鑑・同江東本所図鑑
解説	筆彩色入
冊数	2舗
著者
絵師	石川流宣図
版元（出版社）	江戸図林太兵衛版
刊年	宝永三年刊
欄外解説
備考	通称「江戸二枚図」。二舗揃って伝わることが少なく、当該品も旧蔵者の異なる取り合わせだが、揃いで市場に出ることは近年稀である。『宝永江都図鑑』は大きさ一〇三×一六二・五糎。元の銀泥下絵入り藍色表紙中央に元題簽「寶永　江戸圖鑑」付。二舗のうち特に本図には当時の鮮やかな筆彩色（朱・黄・緑）が残る。十二支の略画で示した方位、小石川御殿や寺社・船などに作者石川流宣ならではの絵画的な表現が目立つ。初版の江戸図林太兵衛版としては宝永二年から四年の伝本が知られ、当該品は「寶永三丙戌年　東陽中本町四丁目　江戸圖林　太兵衛」の刊記を有する。惜しくも少虫食補修、一部折目補修、少染み有。『同江東本所図鑑』は大きさ六七・三×一〇二・五糎。元の銀泥下絵入り藍色表紙（少擦れ）の中央に元題簽「同江東本所圖鑑」付。図の右中部に「万石以上本所御上屋敷分」、及び右下部に「隅田河木母寺𦾔跡」図入。黄・水色の筆彩色入り。刷、保存ほぼ良。当該品をはじめいずれの伝本にも刊記がなく、この図単体での正確な刊行年の特定は不可能である。この「江戸二枚図」はのちに「分道江戸大絵図」乾・坤と改題されて山口屋須藤権兵衛、のち平野屋善六、さらに出雲寺和泉掾と、多くの版元及び期間にわたり刊行されたことが知られる。