書名 | 海瀕舟行図 |
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解説 | 上・中・下及び補巻 筆彩色入 少虫食 |
冊数 | 4帖 |
著者 | 衣斐蓋子編 |
絵師 | |
版元(出版社) | |
刊年 | 延宝八年自序 江戸後期写 |
欄外解説 | |
備考 | 表紙の大きさ二九・二×一八・二糎。布目模様入りの青磁色表紙(少虫食、擦れ)中央に無地題簽付、なお右上部に巻名を記した小紙片を後補。下巻のみ裏表紙を欠き綴じ外れがあるも揃。本文少々虫食がある。寛文七年に幕府によって各地に派遣された「浦々巡見使」の沿岸調査に携わった与力の衣斐蓋子が、当時の資料をもとに延宝八年に作成した航路図。上・中・下及び補巻よりなり、距離・方角を正確にあらわすため、帖仕立てながらも多数の紙を上下あるいは斜めに貼り足し折込んでいる。海部分には赤い線で航路が書きあらわされ、岩や洲、土地間の距離など航海に必要な情報を記し、又陸の部分には海岸に沿って地名・川名や城などの名所を名称付きで描いている。上巻には巻頭の漢文自序・仮字序・方角之弁并路程・上巻所見例につづき「摂州大坂河口」から久留米まで、中巻には所見例につづき「豊前国辺崎」から「筑後国榎津」まで、下巻には所見例につづき「淡路国東辺岩屋ノ岬」から「阿州椿泊ヨリ大鳴門ノ撫養島」まで、補巻には対馬国・壹岐国・五島を収める。わが国で初めて作成された沿海航海書といわれるもので、形態がやや特異であるためか伝本は多くない。 |